先月号に続き、生活体験文(一般の部)で優秀賞を受賞された方々の作品をご紹介いたします。
「一隅を香らせてみたい」
南部町 大窪 誠
コロナ禍の外出制限中にガーデニングを始めて三年目になりました。きっかけはささいなことでしたが、今は手間をかけずに、四季を通じて香りを楽しみたく、限られた環境と、極力誰の手も借りずに育成管理が出来るように試行錯誤することを楽しんでいます。
お花って陽当たりの良い場所で水遣りさえしていれば良いのだろう。そんな浅はかな考えで始めてみましたが、陽が当たり過ぎると葉が焼けて枯れてしまったり、水を与え過ぎると根っこが腐って枯れてしまったりと、植物育成の難しさを痛感いたしました。
芳香がある植物には、花が咲いて香るものと、葉っぱが香るものがあり、多くは花が香るタイプです。葉っぱが香るものは、触れたり揉んだりすると香る感じでしょうか。
花を咲かせる植物には、草花と花木があるのですが、思いの外、視覚障害者には「草花」の管理の方が難しいように思われました。一年中地上部が残り続けるラベンダーなどは大きく育っているので、ラベンダーと雑草とを触知することがなんとか出来るのですが、冬には地上部が枯れ朽ちて消えてしまう球根植物のフリージアや、種が落ちて発芽するジャーマンカモミールなどは、翌春に雑草と混ざりあって一斉に芽吹き始めてしまうので、草花なのか雑草なのか、識別して草取りをすることが困難になります。
球根植物は昨年と同じ場所に生えるので生育場所のおよその目安はつきますが、球根が大きく育つと、芽の出る場所が思いの外ズレて生えたりします。大きく勢いのある草花だなと思い込み、せっせと水やりして育ててみたら雑草でした、みたいなこともありました。
次にキンモクセイを代表とする芳香花木は、比較的手間いらずで視覚障害者にも管理は簡単なのですが、草花とは異なる注意すべき点がいくつかありました。しかしながら、購入時15cm程だったクチナシが、翌年には膝上程に成長して数輪の花をつけ、形容しがたい芳香を周囲に漂わせて、私のみならず、近所の方々をも楽しませてくれたのです。
現在では、インターネットで園芸知識を音声情報として得ることもできますし、珍しい苗や園芸資材も自宅に居ながらにして購入することが出来ますが、視覚の障害に応じた栽培マニュアルはございませんから、落ち葉掃除や花ガラ摘み、食害虫対策など、乗り越えなければならない課題も多くあります。それを going my way 如何に対策すべきかを思案するのも楽しいです。
表題は「一隅を照らす」との、天台宗の開祖である最澄さんが言われた心に響くお言葉に準え、もじらせていただいたものですが、恐縮ながら私にとっては、「照らす」と「香らす」とは同義なのであります。
以上、道半ばの中間報告をもって、世迷言体験談とさせていただきます。
僕の人生体験談
甲府市 高野 雅洋
僕は現在52歳です。青い鳥ケアホームに入所し2年が過ぎました。日中は青い鳥ホームで軽作業を行い、週2回歩行訓練と点字学習をしています。
僕は小学3年生頃、川崎の母親の実家に遊びに行った時、家の周りの暗い場所が急に怖くなり、動けず母に支えられて家に戻りました。家の中は明るく今まで通りに歩けました。
その様子を見た家族から「目がおかしいのではないか」と心配され、当時住んでいた東京の病院を受診し夜盲症と診断されました。1年後、父の故郷である山梨に戻り再度医大で詳しい検査を受け視野も狭く暗い場所では見えにくいため、網膜色素変性症と新たに病名がつきました。
小・中学校は地域の学校に通い、高校はバスと電車を使い通学しました。あまり目の不自由は感じず、楽しい学生生活を過ごしました。高校を卒業し就職しましたが、目の病気が進み、仕事がうまく出来なくなり、2年で退職し家にいる生活になりました。社会との関わりがなくなり、家で掃除をする日々。両親が他界し、姉夫婦との生活になり益々会話も少なくなり寂しい生活になりました。
姉夫婦も年をとり、僕の将来を心配し福祉課に相談。目の不自由な僕も生活しやすい環境である青い鳥ケアホームを紹介されました。最初は施設という福祉サービスも知らず、集団生活の経験もなく、うまく生活ができるか不安でいっぱいでした。僕の不安をなくすために福祉課、相談員、支援員、姉夫婦、僕とで面談をし、僕も質問を繰り返し、まず短期利用を体験することにしました。短期利用をしたことでホーム内の間取りや配置、職員のアドバイスを受け生活の様子がわかる様になり、段々とホームでの生活が楽しくなりました。3か月の短期利用を体験し令和3年8月に入所しました。現在は生活にも慣れ今まで家族に頼って自分ではしなかった事も体験や経験を積み、自分で出来ることは自分でやる様になり自分の自信、自立にもなりました。
3年前は自宅で社会からかけ離れた生活をしていた僕が、今は、日中は青い鳥ホームに行き、散歩、ラジオ体操、作業をしメリハリのある生活をしています。週2回の歩行訓練は杖の使い方の勉強をしています。杖は今まで使った事がなく使いこなせるか不安がありました。点字学習も始めました。現在は7文字覚えました。まだ混乱はあり読む時は間違いがありますが訓練士から学び勉強していきます。音声時計やサングラスも購入しました。目の不自由な僕が活用できる福祉用具があるとは思いませんでした。初体験ばかりです。
入所時はわがままで職員・利用者とのトラブルがありましたが今は仲良く生活し僕の生活する場所は青い鳥ケアホームだと思っています。これからも福祉器具等を活用し、また様々な福祉サービスを受け自分が自分らしく生きていけるよう頑張ります。
僕の夢は独り、生まれ故郷である東京に行き、幼い頃の思い出の場所がどうなっているか歩いてみてみたいです。
不自由でも必要とされる社会へ
甲斐市 谷 加奈子
私が「違和感」に気づいたのは、三十五歳を過ぎた頃でした。小さい頃から夜は苦手で、見えづらさを感じていましたが、夜盲症だろうと思い特に気にすることもなく過ごしていたのですが、夜の歩行時にものにぶつかったり、運転が怖くなってきて、「あれ?」と思うことが増え、眼科へ通い始めて一年後の検査で「網膜色素変性症」の診断を受けました。治らない病気で進行もする病気と説明を受け、この先、仕事や家庭はどうしていけばいいのかと大きな穴に突然つき落とされたような暗い気持ちになったことは今でも覚えています。
診断されてから一年後、障害者手帳の発行まで症状が進行しました。(第二種五級) この時には、「今、見えている内にできることは何でもやって準備をしよう」という前向きな気持ちで、情報収集を積極的に行っていました。しかし、個人での収集には限界があります。役場では手帳の申請時に、当たり障りのないマニュアル通りの手続きの案内しかなく、運転時のサポートに同行援護の申請があることや、自立訓練が受けられる申請など何も説明がなく、私は通っていた眼科の先生が色々な情報や、人をつないでくれたおかげで、白杖を手にし、点字の勉強もできています。役場での申請時では窓口対応の方が、そのサービスや申請を知らなければ、「そのような申請はありません」と断られてしまい、俗に言う「窓口ブロック」も経験しました。これも対応方法を事前に聞いていたおかげで申請を受付けてもらうことが出来ましたが、情報がなければ、ただ見えなくなっていくことを自分ができうる範囲で受けとめていくしかなかったのかと思うとゾッとします。
見えなくなるということは、人に助けてもらう機会が増えるということです。今まで出来てきたことが、出来なくなるということは、「必要とされない」と感じることが増えるのです。私も診断されてから人に対し謝ることが増えました。人に迷惑までかけて生きる人生なんて…そんな気持ちにさせないためにも私たちにはツールや情報が必要なのです。そのツールや情報が誰でも簡単に手に入れることが出来る場を国や行政がもっと力を入れて対応してくれたらと切に願っています。そうすれば、障害があっても、ツールや情報を手に入れることで活躍の場も増え、国や行政が負担と感じている補助金への還元もできるのではないかと思います。
この先、私の目の症状がどこまで進んで行くのかはわかりません。ただ、出来ないとあきらめるのではなく、色んな支援を受けながら、出来ることを増やしておき、自分でも出来ることはたくさんあるんだと自信を持ち、感謝の気持ちを忘れることなく、社会へも貢献していきたいと思います。
続いて、みーきのお料理コーナーです。
冬から春にかけて脂ののったブリは、栄養満点・血液をサラサラにする・脳の活性化など色々な効果が期待できます。ごはんの進むピリ辛ソース味で食べてはどうでしょうか。
【材料】 | |
ブリの切り身 | 2切れ |
塩・こしょう | 各少々 |
片栗粉 | 適量 |
チンゲン菜 | 1/2株 |
もやし | 50g |
ニンニク | 1/2片 |
ねぎ | 5cm |
サラダ油 | 大さじ1 |
ごま油 | 小さじ1/2 |
A | |
鶏がらスープの素 | 小さじ1/2 |
湯 | 1/2カップ |
B | |
豆板醤 | 小さじ1/2 |
トマトケチャップ | 大さじ1 |
砂糖 | 小さじ1 |
酢 | 大さじ1 |
塩・こしょう | 各少々 |
C | |
片栗粉 | 小さじ1 |
水 | 小さじ1 |
作り方
① ブリの切り身に軽く塩・こしょうし10分程置く。チンゲン菜は食べやすい大きさに切る。ニンニク・ねぎはみじん切りにする。
② Aを混ぜ合わせ、鶏がらスープの素を溶かす。Bの調味料を加えて混ぜる。
③ ブリの水分を拭き取り、片栗粉をまぶす。フライパンにサラダ油大さじ1/2を中火で熱し、ブリの両面を焼いて器に取り出す。
④ キッチンペーパーでフライパンをきれいに拭き取る。サラダ油大さじ1/2、ごま油を中火で熱し、ニンニク・ねぎを炒める。香りが立ったらチンゲン菜の茎を加え炒める。
⑤ チンゲン菜の葉、もやしを加え炒める。
⑥ ②を加え軽く煮込む。
⑦ Cの水溶き片栗粉を加え、とろみをつける。
⑧ 器に置いたブリの上に、⑦をかける。
出会い・めぐり合い
理事 小笠原 恭子
私は物心ついた頃から視力0.1で、高校時代まで一般校で過ごしました。授業中、隣の席の友人に板書を読み上げてもらったり、暗いところでは手を引いてもらったり、小さい頃から自然に受け入れてもらい、程よく手を貸してもらえてありがたかったと思います。家庭科などは上手にできないので、家族や友達にやってもらい、体育はとりあえず参加していた感じでした。
高校卒業後、盲学校に進学し、たくさんの視覚障がい者と出会いました。全盲の友達が、編み物ができたり、録音図書で読書が楽しめることを知ったり、特に体育や実技科目は特別支援教育を受けたかったと思いました。
目が悪いからできないとあきらめていたことが、晴眼者と同じ方法では難しくても当事者の世界では別の手段や工夫によってできるようになることがたくさんあることを知りました。
25年前山梨に引っ越してきて、ライトハウスから当時カセットテープの雑誌や県やライトハウスからの点字の出版物を送ってもらうことにしました。ある時、この「うるおい」の記事で、富士吉田で視覚障がい者のパソコン教室があることを知りました。ソフトが新しくなり、音声での操作は家族では対応できず困っていたので早速申し込みました。そこで富士吉田市の視覚障がい者と出会い、山視福協にも誘われて入会しました。行事に参加するようになって、県内にたくさんの視覚障がい者の知り合いが出来ました。
日常で視覚障がい者と出会うことはめったにありません。人生中途で見えにくくなった人が、見えない世界に絶望するのは無理のないことだと思います。視覚障がい者というと全く見えない人というイメージが強いかもしれませんが、現在視覚障がい者の8割から9割がロービジョンと言われる見えにくい人だそうです。
人は情報の8割を視覚から得ていると言われていますが、見えなければ2割の情報しか得られない訳ではないはずです。見えにくくても、見えないなりにも、聴覚や触覚、嗅覚も使い、さらに現代ではテクノロジーの恩恵も受けて、世間が考える以上に視覚に障がいがあっても自分なりの人生を楽しめることを多くの人に知ってもらいたいと思います。
見え方も見えにくくなった時期も人生経験も様々です。当事者同士は親近感が持て、家族や晴眼の友達には話さない悩みを吐露したり、困りごとを共感しあったり、視覚障害グッズや便利なアプリを共有したりetc.
私はこれまでたくさんの出会いに恵まれて幸せだったと思います。これからもどんなめぐり合いがあるのか楽しみです。山梨県視覚障がい者福祉協会がそんな出会いの場の一つになればいいなと思っています。
最近ニュースなどで「コンプラ違反」「コンプラハラスメント」などという言葉を聞いた方も多いのではないでしょうか。そもそも「コンプライアンス」とはどういった意味なのか解説したいと思います。
「コンプライアンス」はもともと、「規則・要請などに従う、法令を遵守する」という意味があり、日本語では「法令遵守」と言い換えられる場合が多いですが、実際に企業に求められる意味合いはもっと幅が広いようです。
コンプライアンスという言葉を企業に対して使う場合、法令を守るだけではなく、社会的規範にのっとり、道徳的、倫理的にも正しく行動することが求められています。法律違反となるような不正はもちろんのこと、パワハラ、セクハラといった「社会的規範に違反しているもの」は、すべてコンプライアンス違反に含まれるそうです。
事例としては、書類を不正に改ざんする、不正会計や不正表示、法定外残業や不当解雇などの労働問題、機密情報の持ち出しなどの情報のセキュリティ関連問題、また、「業務時間内に仕事が終わらない」という理由で、社外秘情報などを私用のメールアドレスに転送したり、持ち出したりすることもコンプライアンス違反となるそうです。
コンプライアンスは、企業側にとって重要なだけではなく、ビジネスパーソン一人ひとりが「自分ごと」として捉える必要があります。コンプライアンスは、もはや社会人にとっての常識であるとも言え、責任ある社会の一員として、法令や社会的な規範を遵守した行動を取っているかどうか振り返ってみるといいかもしれませんね。
中嶋 英子 選
埜村 和美
猫に面かぶせ独りの鬼やらい
「感想」猫にお面をかぶせて鬼にするという情景は見たこともないし、聞いたことも、想像したこともないので驚きました。独り暮らしのおもしろく、楽しい思いつきの豆撒き、でも、読後に寂しさに襲われました。私は買ってきた節分豆を、撒くこともせず、独りでひたすら食べただけです。俳諧味もあり秀句だと思いました。埜村さんは旧仮名遣いで俳句を詠まれるので「鬼やらい」は「鬼やらひ」と表記してください。
白杖を伴に山辺の梅探る
「感想」「梅の花」も「観梅」も春の季語ですが、春に先駆けて開く梅を山野に入り探すことを「探梅」といい、区別して冬の季語となっています。「白杖を伴に」で情景が見えてきます。
探梅や遥かな湖に鴨の声
「感想」「鴨」も冬の季語ですが、この句は「探梅」を「や」という詠嘆の切れにしているので問題ないと思います。鴨の声をユーチューブで聴いてみました。群れでいることの多い鴨の声は遥かまで響くかもと思いました。岡本眸のこんな句が例句に載っていました。「さみしさのいま声出さば鴨のこゑ」
小川 賢治
雪の降る誰も来ない日一人寝る
「感想」これも身につまされる寂しい句ですね。これでも解りますが、動詞が三つもあるので散文的になってしまいます。「ひとり居の誰も来ない日雪しんしん」としたらどうでしょう。これでは布団に入って寝てしまったかなと読む人の想像に任せましょう。
もう一句の「かまくらで寒さを凌ぎ寝てしまい」も、散文的です。「かまくら」は秋田県横手市の正月行事で使われる雪の洞で、楽しそうな新年の季語ですね。心に残った情景を詠んでみましょう。
石川 昭敏
初場所で仕切りを合わせ火花飛ぶ
「感想」テレビでしか見る機会はないのですが、仕切りを合わせる場面はこちらまで緊張します。それが初場所だったらなおのことでしょうね。仕切りを合わせた後の場面「火花飛ぶ」の下五がよいと思います。上五の「初場所で」を「初場所や」に、中七の「仕切りを合わせ」を「仕切り合わせて」に変え、「初場所や仕切り合わせて火花飛ぶ」としたほうがよいと思います。
もう一句の「木製のラケットを持ち打ち始め」ですが、「打ち始め」という新年の季語を探してみましたが、ないのです。ラケットを使う競技テニス、卓球、バドミントンも季語になりません。球技のことがわからなくて、そもそもラケットが何でできているのかもわかりませんでした。
相沢 幸雄
恵方巻より海苔巻きつねがあればいい
「感想」恵方巻が年々豪華になって店先に並びます。節分の食べ物なので、春の季語なのかと、家にある数冊の歳時記を調べましたが載っていませんでした。でも、季節感があるので誰もが春の句と思うでしょう。具をどっさり入れた恵方巻より、かんぴょうなどシンプルな食材を入れた海苔巻や稲荷ずしがあればいい、と述懐した句で、同感の人もいるかと思います。「きつね」と「いなり」どちらがわかりやすいでしょうね。
もう一句の「梅ありてその日の難を逃れけり」は、梅の効用を詠みたいそうですが、何か見えてくるもの、具体的なものが欲しいです。
小松 瑛
大寒ややがて花咲く春近し
「感想」小寒から寒明けまで一年でいちばん寒い時期。でもなぜか大寒と聞くとほっとします。この句のとおり春が近づいたと感じるのです。でも、「花」も「春近し」も季語で、季語が多くあると俳句の焦点がぼやけるといわれています。具体的な見えるもので表現してみましょう。
覚えておきたい龍太の俳句 2月
福田甲子雄編著 「龍太俳句365日」より抜粋
どの家からも春暁の駒ケ嶽
境川小黒坂からは、諏訪口の左に駒ケ岳がよく見える。赤石山脈の最北端にあり、昔からの信仰の山として名を知られてきた。駒ケ岳と付く名前の山は、全国に多くあるので甲斐駒ヶ岳といわれてもいる。標高は1966メートルで日本中の駒ケ岳の中で一番高い。
甲州街道台ケ原宿からの駒ケ岳の展望は、参勤交代の時代から厳しさの極地としての美しさで知られていた。それが現在の白州町(現 北杜市白州町)。駒ケ岳を源として尾白川と大武川の二つの川が富士川の上流釜無川に入っている。尾白川は山女魚の宝庫として知られ龍太先生も何度もこの川で釣っている。駒ケ岳に対する思いは、そうしたことからも格別で多くの俳句がある。
春暁の光が白雪の嶽を染めると、どこの家からも雨戸を開ける音が聞こえてくる。裏に出ると茜色が嶽の全体におよんでいる容姿を遠望することができる。もう梅の蕾が開きはじめた。
(昭和46年作 句集『山の木』所収)
それでは、25日締め切り厳守でご投句をお待ちしております。
寒さ厳しいこの時期よく聞く言葉に「ヒートショック」があります。ヒートショックとは、気温や室温の大きな温度差によって血圧が上下に大きく変動し血管に大きな負担がかかることによって起こる健康被害のことです。血圧上昇により心筋梗塞、脳梗塞、脳出血を起こしたり、また反対に血圧低下によりめまいやふらつきが起き転倒したり、骨折、溺死など重大な被害が出たりします。
ヒートショックを起こしやすいとされ一番話題となる場所は浴室です。入浴前の対策としては、浴室や脱衣所を暖めて、それまでいた部屋との温度差を減らすことが重要です。脱衣所に小型の電気ストーブやミニパネルヒーターなどを置いて温度を上げておくとよいそうです。入浴前にしばらく湯船のふたを開けておいて浴室内の温度を上げておく、シャワーをかけて床を温めておくなどするとかなり危険性は低くなります。
ここまでしたら大丈夫と豪快にお湯を浴びて湯船に飛び込みたいところですが、少々お待ちください。入浴時にも対策が必要です。いきなり体全体に熱いお湯をかけるのではなく、まず手や足に先にお湯をかけて下さい。急激な温度変化は避けて徐々に体を慣らします。温度の設定は41度以下が安全とされています。寒いのでついつい温度を上げてしまいがちですが上げ過ぎは危険です。長く入って温まりたいところですが入浴時間は10分くらいまでにした方が良いそうです。長湯をすると血圧が下がりすぎて入浴後の急上昇で危険になるからです。お風呂から上がる際も急に立ち上がるのは血圧の急変を起こし、立ち眩み、転倒の危険を伴います。ゆっくりとした動きをしてください。
最近入浴すること自体が億劫になる人が多いようで「風呂キャンセル界隈(かいわい)」などという言葉も聞かれるようになりましたが、そのような風潮はともかく体調が優れないときは無理に入浴しないようお願いします。また食後すぐや飲酒後も血圧が下がりすぎますので止めて、少し間をおいてからにしてください。
ヒートショックが起きやすい場所はお風呂場だけではありません。トイレ、廊下などもそうです。寒めの場所へ行くときはちょっとの時間だからと油断せず上着を羽織る、スリッパを履くなどして体が寒さにびっくりしないようにいたわりながら、もうすぐやってくる快適な春を待ちましょう。
2-1
『人生「散りぎわ」がおもしろい』
下重 暁子 著
3:57
内容:「散りぎわ」の人生終盤をどんな心持ちで過ごしていけばよいのか? 日々を悔いなく味わうためのさまざまな提言とともに、池上彰、野田聖子との対談も収録する。『サンデー毎日』掲載を再編集し単行本化。
(音訳者 笹本 洋子)
2-2
『70代高齢女子今日も元気で行ってきます。』
凛@高齢女子 著
2:26
内容:花はたいてい遅咲き、人に好かれようとする必要はない…。70代でTwitterをはじめた著者が暮らし、仕事、人間関係、心と身体に効く言葉を綴る。いくつになっても自分の可能性を信じて、心豊かに過ごせるヒントが満載。
(音訳者 佐藤 久美子)
2-3
『論語と算盤』
渋沢 栄一 著
10:36
内容:日本資本主義の父、渋沢栄一。中国の思想書「論語」と経済や商売の象徴でもある算盤を結び付けた歴史的名著「論語と算盤」の原文、各章のあらすじを収録。漢文には書き下し文や現代語訳を付す。巻末に渋沢栄一の名言も掲載。
(音訳者 祢津 彩子)
2-4
『わたしの100歳地図』
和田 秀樹 著
3:36
内容:食べたいものを食べて、医師には「ノー」をつきつけ、財産はすべて使い切る。ボケたら迷わず人を頼る。「寿命」じゃなくて「幸せ」を延ばす-。63歳の著者がこれまでの人生を振り返り、人生100年時代の設計図を語る。
(音訳者 吉武 みどり)
2-5
『(新装版)京都ものがたりの道』
彬子女王 著
3:23
内容:彬子女王殿下が誘う、歩いて味わう京都。寺町通、四条通、河原町通など、歴史を刻む街並みの魅力を清廉な筆致でつづる。京のまち歩きに役立つ「ちょっと寄り道」や地図も掲載。
(音訳者 原野 由美子)
2-6
『猫沢家の一族』
猫沢 エミ 著
5:31
内容:福島から東京、そしてパリへ。破天荒で規格外な家族との日々、そこには確かに愛があった-。猫沢エミが綴る、いびつだけど愛おしい家族の形。ユーモラスで時に切ない、ブラック・ファミリーヒストリー。
(音訳者 高部 多加代)
つづいて、厚生労働省委託デイジー図書です。
2-7
『スーパーマンは来ない』
エリン・ブロコビッチ 著
21:11
内容:大規模工場・大農場や軍事基地が垂れ流す化学物質や発ガン性物質PFASなどによる全米の水道水汚染、飲み水汚染によるガン・クラスター…。環境問題活動家、エリン・ブロコビッチが、水問題で今何が問われているかを語る。
以上、厚生労働省委託デイジー図書でした。
今月2日は、節分でした。節分行事の代表といえば豆まき。今年も、鬼を追い払い、福を呼び込む一年となりますように。今月のキーワードは、「鬼」です。
S2-1
『お母ちゃんの鬼退治』
小手鞠 るい 著
3:29
内容:本が好きで、物知りで、小説家になりたかったお母ちゃん。少しずつ視力を失い、ある日、とうとう見えなくなるが…。かわいそうなんて言わせない!天晴なお母ちゃんを綴った泣き笑いエッセイ。
S2-2
『鬼哭洞事件』
太田 忠司 著
8:38
内容:27年前に消えた母と妹を捜す男は、依頼の翌日死亡した。彼の故郷を訪ねた俊介は、謎の神楽ともうひとりの“名探偵”に出会う。
S2-3
『鬼火の町』
松本 清張 著
8:11
内容:夜釣りに出た船頭と客が水死体となって流れ着く。岡っ引きの藤兵衛が川底を捜索すると銀造りの立派な煙管がみつかる。同心の川島から「手を引け」と言い渡され、疑問がわく。江戸を舞台に、出世と賄賂にそめられた権力の壁に立ち向う。
S2-4
『渡る老後に鬼はなし』
橋田 寿賀子 著
5:50
内容:家族、名誉欲、財産、持つから鬼になるのだ。葬儀なし、友なし、子なし、さまざまな因縁を絶つ「後悔なし」の終活宣言。松竹第一号の女性脚本家となり、数々の名作を生み出した波乱の人生を振り返る。
S2-5
『星月夜の鬼子母神』
篠 綾子 著
7:26
内容:鎌倉幕府草創期。権力の中枢を担う乳母一族として比企氏は力をつけていく。比企の血を継ぐ若狭局は鎌倉殿・源頼家の妻となり長男を出産。若狭は我が子を鎌倉殿にすると誓う。
以上、他館複製図書です。
寄贈していただいたドラマ仕立ての朗読CDです。
2-1
『名調子 芥川隆行が語る「あゝ野麦峠」』
山本 茂実 原作、芥川 隆行・平 榮子 出演
0:59
内容:紡績の町 信州岡谷の製糸工場に働くうら若い糸引きの乙女達。貧しい農村に生きる親兄弟の為に過酷な重労働の日々を耐え、「男軍人、女は工女、糸を引くのも国の為」と唄いながら、吹雪の野麦峠を越えて行く女性たちの物語。
2-2
『名調子 芥川隆行が語る「一本刀土俵入」』
長谷川 伸 原作、芥川 隆行・平 榮子 出演
0:41
内容:親方に破門され一文無しになった取的の駒形茂兵衛。水戸の宿場町で、お蔦という女に思いもかけぬ情をかけられる。それから十年後、親となったお蔦がヤクザに襲われる場に現れたのは、横綱ならぬ渡世人となった茂兵衛だった。
2-1
『与える人』
坂東 眞理子 著
全3巻
内容:一人ひとりの考え方や行動をどう変えたら、自分も社会もよくなるのか。「ちょこっといいことしたな」を積み重ねる、「ゆるやかな縁」を大事にするなど、歳を重ねるほど大切にしたい人生のヒントを伝える。
(点訳者 奥本 和代)
2-2
『あなたに聞いて貰いたい七つの殺人』
信国 遥 著
全6巻
内容:凄惨な殺人をインターネットラジオで実況するヴェノム。探偵・鶴舞とジャーナリストのライラは、その正体を突きとめるべくラジオディテクティブを始め、ささいな音やヴェノムの語り口を頼りに、真相に近づくが…。
(点訳者 仲田 ルリ子)
2-3
『快速阪急電車は今日も行く』
斎藤 公明 著
全2巻
内容:昭和39年、新幹線開業と東京五輪、海外旅行へと日本の高度成長が始まる-。輝かしくも懐かしい時代がよみがえる、ほろ苦いユーモアをまじえたエッセー集。
(点訳者 宮澤 越美)
2-4
『推理の時間です』
法月 綸太郎ほか 著
全6巻
内容:あなたにはこの謎が解けるか!? 法月綸太郎、方丈貴恵、我孫子武丸、田中啓文、北山猛邦、伊吹亜門がフーダニット・ホワイダニット・ハウダニットの魅力的な謎を提示する読者への挑戦状。
(点訳者 仲田 ルリ子)
2-5
『適応障害の真実』
和田 秀樹 著
全3巻
内容:本人も周囲も気づきにくく、うつ病と診断されることが多い適応障害。新型コロナで社会環境が激変するなか、患者の増加が予想されるこの病の兆候、対処法、治療法、接し方を精神科医が解説する。精神医療現場の現状も伝える。
(点訳者 輿石 和男)
2-6
『なぜかうまくいく人のすごい直感力』
上地 一美 著
全2巻
内容:直感に従って行動すれば、夢や目標の達成にグッと近づく! すぐにできる直感のみがき方や、魂にしたがって逆境を乗り越える方法、お金に愛される方法、人間関係を整える方法、心身を健やかにする方法を具体的に紹介する。
(点訳者 橘田 道子)
2-7
『母は死ねない』
河合 香織 著
全4巻
内容:育てたい。愛したい。それだけの願いを叶えることが、こんなにも難しい-。自らも母としてあがくノンフィクション作家が、様々な女性たちの声を聴き取り、綴る。『ちくま』連載を大幅に改稿し書き下ろしを加える。
(点訳者 鶴見 貴美恵)
つづいて、厚生労働省委託点字図書です。
2-8
『道 平成21年~平成31年』
宮内庁 編
全11巻
内容:平成21年から平成31年2月まで、天皇皇后両陛下が式典で述べられたお言葉や御歌などを項目別に収録。平成最後の10年間の両陛下の道のりをたどれるお言葉集。
2-9
『心療内科とは何か』
渡辺 徹也 著
全3巻
内容:医療の専門化細分化が加速する中で、診療難民にならないために、心療内科の成り立ちから対象とすべき疾患の具体例、疾患の分類と見分け方を解説する。
2-10
『生命倫理のレッスン』
小林 亜津子 著
全2巻
内容:理想の容姿になるための美容整形、競技の記録を伸ばすためのドーピング、頭を良くするためのスマートドラッグなど、健康な人体を「よりよく」改造するための医療技術の利用はどこまで許されるのか。7人の中高生たちの対話を通して生命倫理について考えていきます。
2-11
『化け之島初恋さがし三つ巴3』
石川 宏千花 著
全3巻
内容:神と妖怪と人間が混在して暮らす島の秩序を守るため、心の中の二つの死角を手放さず島に残ることを選んだ三津。島での独特な暮らしや学校にも慣れてきたある日、島中で天変地異が起きる。激動の完結編。
2-12
『ぼくとキキとアトリエで』
中川 洋典 著
全1巻
内容:小学三年生の稜は、絵を描くのが大好き。毎週水曜日、古い商店街にある「アトリエキキ」に通っている。学校でも、家でも、塾でもない…それでいてぼくが一番大事に思っている場所。そんな大切なアトリエキキがなくなっちゃう!?
2-13
『四つの人形のお話2 ゆうえんちのわたあめちゃん』
ルーマー・ゴッデン 著
全1巻
内容:人形のわたあめちゃんは、移動遊園地にある屋台のお店の、幸せのおまもりです。わたあめちゃんが店先でお客さんをむかえるので、ジャックのお店は大はんじょう。ところがある日、遊園地にわがままな女の子がやって来て…。
2-14
『恋愛問題は止まらない』
吉野 万理子 著
全3巻
内容:「野球部員は、来週までに髪を丸刈りにしろ」と監督が指令を出した。理由は恋愛がらみらしい。エースで四番の彼にあこがれる同級生、ひそかに付き合っていると噂の彼女、部活の後輩や彼らに関わる大人たち…。それぞれの思いが一人称で語られるリレー小説。
以上、厚生労働省委託点字図書でした。
『明日への声 Vol.101』2025年1月発行
内閣府 寄贈
1枚
『盲導犬くらぶ117号』
日本盲導犬協会 寄贈
2枚
『点字・大活字広報誌 ふれあいらしんばん Vol.101』
内閣府 寄贈
1冊
『点字 厚生 第307号』
厚生労働省 委託
1冊
『かけはし 第444号』
神奈川県ライトセンター 寄贈
1冊
『信仰 2025年1月号』
盲人伝道協議会 寄贈
1冊
『オール読物1・2月号』
文芸春秋社
1枚
今月のおすすめ雑誌は、『オール読物1・2月号』です。録音時間はおよそ34時間。今号の特集は「読書と安眠 新たな年はぐっすり眠ろう!」です。不眠に悩む作家浅田次郎と睡眠の専門家との対談「眠りを取り戻す」、101歳を迎えた佐藤愛子の新春談話「わが睡眠」、カリスマ書店員が厳選した眠れる本保存版ブックガイド「入眠のための18冊」など盛りだくさんの内容で読者を眠りへと誘います。もう一つの特集は「本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」。読みどころ満載です。リクエストお待ちしております。
今月は、いつでもどこでもラジオ体操ができるブタの形をしたマスコット「体操ブーブー」をご紹介します。寒い日が続くとどうしても運動不足になりがちですが、こちらを使えば、あたたかい室内でいつでも気軽にラジオ体操を行えます。ラジオ体操は全身運動なので、運動不足気味な方の健康維持やダイエットにもおすすめです。
商品の大きさは手のひらに乗るサイズで、重さは94グラム。お座りしたブタの形をしています。コンパクトなので、どこにでも置けて、どこにでも持ち出すことができます。
使い方は、ブタの鼻のボタンを押すだけ。はじめに9種類のやる気の出るかけ声があった後、ラジオ体操第一が流れます。
使用する電池は、単4アルカリ乾電池2本。
価格は2,490円です。
ご注文・お問い合わせは、貸出・用具専用電話(055-223-1113)までお願いいたします。