社会福祉法人山梨ライトハウス

社会福祉法人 山梨ライトハウス

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曲名:青い鳥 作詞:竹内秀秋
作曲:一瀬公弘

※再生ボタンをクリックすると音楽が流れます。ボリュームにご注意ください。

広報誌「うるおい」(拡大版)第377号 2021年8月20日発行

目次 障害福祉課からのお知らせ山梨ライトハウスから皆さんへ山視福協から山視民協からことばのミニ解説うるおい俳句教室暮らしのヒント新しい図書の紹介用具部からのお知らせ

障害福祉課からのお知らせ

 暑い日が続いていますね。冬の間は優しい光を届けてくれた太陽ですが、今は無慈悲にギラギラしています。容赦ない日光から逃れるため、影踏みをする子どものように日陰を選んで歩くのですが、少しの運動であっという間に汗だくになってしまいます。このような中でも、連日ベストをつくされているオリンピック・パラリンピックや高校野球の選手たちには、本当に頭の下がる思いです。
 さて、そんな気候にも関わらず、先日、ロードレースを見に行ってきたのですが(新型コロナ対策のため、マスクをして沿道からおとなしく観戦しましたよ!)、選手の前や後ろを走っているチームの車やバイクの多さに驚きました。テレビには映らないけれど、自転車の調整をしたり、ドリンクを渡したりと、本当にたくさんの人たちがサポートしているのですね。
 そんなわけで、今回は障害のある作家さんたちを支援する方々に目を向けてみたいと思います。
 素敵な作品をつくっている作家さんは、本県にもたくさんいるのですが、ご家族や施設の職員さんなど、周りにいる方の理解が得られないと、作品が捨てられてしまったり、勝手に手を加えられてしまったりと、残念な結果になることが多々あります。反対に、大切に保管して、積極的に魅力を発信した場合、作家さんの知名度が高まり、更なる人気に繋がります。作家さんを支援する「人」や「場」を増やすことが、作家さんの自立にとって、とても大切なのですね。
 本県では、作品の発表方法や作品を利用した商品の製作・販売について、YAN(山梨アール・ブリュットネットワークセンター)が電話相談、メール相談などを行っています。作家さん本人だけでなく、ご家族や施設の方など、創作活動を支援する立場の方々からのご相談もたくさんきております。
 日頃の創作活動から一歩先へ進んでみたいとき、身近にそんな人を見かけたとき、ぜひ一度連絡してみてください。

ライトハウスから皆さんへ

 新型コロナ感染者が急増し、4回目の緊急事態宣言が出るなか、無観客で始まった異例の東京オリンピック。さまざまな意見があった中、57年ぶりに東京で開催されたオリンピックもすべての日程を終え、聖火が消されました。皆さんは、どんな競技が印象に残ったでしょうか。

 さて、9月には県内で障害者文化展の地域展がスタートします。文芸や陶芸など、日頃の皆さんの趣味や技術を生かした作品が数多く出品されることを楽しみにしています。
 今月は、青い鳥成人寮で陶芸指導をしている標 照二しめぎ しょうじさんにお話を聞きました。

 うるおい読者の皆さま、コロナ禍ではありますが、お変わりなくお過ごしのことと思います。
 今私は、青い鳥成人寮の陶芸作業のお手伝いをしています。利用者の皆さんやスタッフの方々が創作活動を快適にできるよう、そして利用者が一生懸命作り上げた作品の本焼などを行っています。
 成人寮での陶芸への取り組みは、昭和51年成人寮開設と同時に作業目的とリハビリを兼ねて行われてきました。
 私の陶芸との出会いです。信楽青年寮の池田太郎先生から「先ずは技術を身に付け、利用者と根気強く付き合いなさい」と教えられました。各地の窯元を見学し、陶芸家の作品を見て回りました。義父には参考にしなさい、と多くの陶芸品をもらいました。益々陶芸への思いが強くなったというわけです。
 バラック小屋から始まった成人寮の陶芸。今は立派な作業棟です。「気をつけ、れ~い」利用者の作業開始の挨拶が響きます。
 担当するスタッフは、利用者の性格や巧緻性、得意とする分野を見極めながら、実用品としての食器そしてオブジェなどの創作活動が行われています。
 数年前から利用者の皆さんに高齢化や身体機能の低下が見られます。それに加え新型コロナウイルスで、日常の生活が一変しました。自由にできていた買い物や外食、そして自宅への帰省もできません。
 スタッフの方々はそんな利用者のストレスを上手に解消しています。利用者のちょっとした言葉に耳を傾け「一泊旅行の宴会でのAさんのカラオケは上手だったね。コロナが収束したらどこへ行こうか?」利用者からは「乗ったことがない飛行機に乗って北海道へ行ってみたい。もう一度沖縄に行きたい。」そこから話は大いに盛り上がり利用者の笑い声が絶えません。「みんなでカニやジンギスカンを食べに行こう」と、年甲斐もなく私も大声になり、スタッフの見事な話術に度々乗せられています。
 利用者の創作意欲を高めているもう一つは、作品が評価され売れることです。作品展や各種即売会も開催できない昨今ですが、直接作品を求めに訪れる方々がいます。清里キープ協会そして萌木の村にあるお店、保育園関係では温もりのある器が子供たちによいと評判になり注文が入ります。また主婦の方は「食事をしながら器で会話が弾むのよ。大切にするわね。」と帰っていきます。スタッフは売り上げを発表し、全員で喜び合います。「コロナが収束したら皆で清里へ納品に行こう。そしてソフトクリームを食べよう、ソーセージも」と陶芸室が笑いで包まれます。今、こんな笑いがホッとさせられます。
 陶芸は、手間も技術も必要です。これからも「オッこれいいね」と購入していただける作品を利用者のみなさん、そしてスタッフのみんなで一緒に作りたいと考えています。コロナが落ち着き、多くの皆さんに陶芸の魅力を体験していただける機会が再開できることを心待ちにしています。

 次に、奥秋曜子先生のお料理コーナーです。
 さあ、Let’s try!

エリンギと卵のピリ辛炒め

 ご飯によく合うピリ辛のおかずです。

材料(2人分)
エリンギ 1本
2個
トマト(生) 1個
きくらげ 5g
むきエビ 100g
ニラ 1/4束
片栗粉 大さじ1
◆調味料
塩・こしょう・ごま油 各適量
紹興酒(日本酒) 小さじ2
豆板醤 小さじ1~2
甘酒 大さじ1

<下ごしらえ>
・エリンギは半分に割り、一口大に切る。
・卵は溶いておく。
・トマトはヘタを取り、8等分する。ミニトマト8個で代用してもよい。
・きくらげは水で戻し、大きければちぎっておく。
・むきエビは塩(分量外)をもみこんで臭みを出し、水洗いして水気を切っておく。鶏肉100gで代用してもよい。蒸ホタテでもよい。
・ニラは2㎝くらいに切っておく。ミックス野菜を使ってもよい。
・豆板醤は好みで量を調節する。
・甘酒は砂糖小さじ1で代用してもよい。

<作り方>
①エビは片栗粉をまぶし、170℃の油で揚げる。多めの油で焼いてもよい。 ←あとで加熱するので8割程度火が通っていればよい
②フライパンを熱く熱し、サラダ油大さじ2で炒り卵を作る。半熟になったら、取り出しておく。 ←多めの油でふっくらと
③再びフライパンを熱く熱し、サラダ油小さじ1を足してトマトとエリンギを焼き付けるように炒める。 ←いじらずに強火で焼き色をつける
④豆板醤を加えてさっと炒めて香りを出し、①のエビと②の卵を戻し、全体を手早く混ぜ紹興酒を加えてさらに混ぜる。 ←ここからは手早く!
⑤塩・こしょう・甘酒で味を整え、ニラを加えてさっと炒める。
⑥ごま油を加えて香りを出し、すぐに火を止める。

最後に、山梨県視覚障害を考える会主催、日本眼科医会共催のロービジョンケア講習会のご案内です。
日時:10月2日(土曜日)午後1時25分からZoom開催
場所:県立図書館多目的ホールにてパブリックビューイング
講演1:目と遺伝について
講師:岩田文乃先生(旗の台東口いわた眼科 順天堂大学非常勤講師)
講演2:眼科疾患の遺伝カウンセリングの現場から
講師:田村智英子先生(FMC東京クリニック 順天堂大学遺伝相談外来)
終演は午後3時30分です。
申込みフォーム:https://forms.gle/yZ6PHKqLNthUAZH17
事務局:田辺眼科 担当事務:田辺直彦 
電話:055-278-0001 FAX:055-278-0002
E-mail:tanabe@yamanashi.ac.jp

山視福協から

O&M(オーアンドエム)勉強会に参加して 

理事 小田切おたぎり 浩子

コロナ禍で迎えた2度目の夏、読者の皆様いかがお過ごしでしょうか。ACジャパンのCM、「行ってきます」をすべての人へ
というのがありましたが、ご覧になった方もいらっしゃると思います。
今回は、7月某日Zoomで参加した、O&M勉強会について一部ですが報告します。
O&M勉強会とは視覚障害者の歩行(Orientation & Mobility, 以下O&M)に関する議論や情報交換を目的とした勉強会です。発表内容は以下の通りでした。

*森 英雄もり ひでお氏(NPO法人歩行ガイドロボット)、丹沢 勉たんざわ つとむ氏(山梨大学):ナビ歩行器とナビレコの併用について
*当事者M氏: 全盲者の経路マインドマップと現実のすり合わせについて(個人の経験から)
*当事者K氏:見え方に合わせた歩行訓練ー手動弁当事者の体験レポート
*重浦 正俊しげうら まさとし氏(U’eye(ユー・アイズ) Design(デザイン)):危険箇所に対する注意喚起と助け合いに関するご質問
*大倉 元宏おおくら もとひろ氏(成蹊大学・大原記念労働科学研究所):視覚障がい者の駅ホームからの転落事例ーショッピングカートの取扱にご用心

[意見交換〕テーマ:歩行(O&M)、歩行訓練

 Mさんの発表で、目的地に行くためには、単に経路を覚えるのではなく、途中にどんなものがあるのか起点となるものを覚えることによって、道に迷った時通行人に尋ねる際にも起点となる建物、例えば〇〇店はどこですかと聞けるので役に立つとおっしゃってました。ニューヨークや北京でもひとり歩きをした経験があるとのことで、方向音痴の私としては、尊敬の念を抱きました。
 神奈川県在住のKさんは日本盲導犬協会の歩行訓練士から訓練を受けたそうです。盲導犬ユーザーでなくても白状を使っての訓練が受けられることを初めて知りました。Kさんは自宅から最寄り駅や通勤経路、会社内での移動訓練を受けたそうです。駅のホーム、特にホームドアが無いところを歩く時は真剣勝負のようだと言ってました。見え方に則した歩き方があるので、見え方が変わったらその都度歩行訓練をした方が良いと言われたそうです。当事者の訓練は必要ですが、見えなくても安全に歩けるような信号機、駅のホームドア設置、無人駅での対応などの環境整備や歩行訓練の存在の周知や訓練が受けやすい社会の仕組みなどの要望も出し続けることの大切さも感じました。
 重浦氏の発表については、意見交換のなかで多くの当事者は、声をかけてもらうことに対して感謝していると言ってました。たとえサポートの必要がない時でも声をかけてくれたことに感謝の言葉を伝えるべきであること。一方で、人が多いホーム上を白杖を使い、集中して歩いている時、いきなり、白杖や腕を掴まれ、困ったという経験をされた方もいました。サポートする側は、先ず声かけをしてどのようなサポートをすれば良いですかなどと言ってほしいとのことでした。道を尋ねたり、サポートをお願いしたり、その他日常生活のあらゆる場面で、コミュニケーション能力は大事だなと改めて思いました。
 駅構内でのアナウンスについても提案がありました。「点字ブロックの上に立ったり物を置かないでください。目の不自由な方が避けようとして転落する事故がありました。」この文言は晴眼者の人たちからも具体的でわかりやすいアナウンスだとの意見が多くあったそうです。
 私もこれは良いと思いました。甲府駅でも流してほしいです。
 今回初参加でしたが多くの当事者や支援者の声を聞くことができてとても勉強になりました。
 白杖、盲導犬、テクノロジー、同行援護などを利用しながら視覚障害者が安全に外出できる社会になることを願っています。

山視民協から

「意思疎通支援員派遣事業について その2」

会長 桜林 正巳

今号は、うるおい5月号に続き、表題のことについてお伝えします。
前回は、視障者が入院時に利用できる意思疎通支援員派遣事業の必要性について明らかにしました。
1. 本会とともに全視協に加盟している和歌山視力障害者の生活を守る会は県との話し合いの中で、入院時の支援について質問したのに対し、県は、医師からの画像による病状の説明を同席して聞いたり、必要なら代筆も依頼できる意思疎通支援員派遣事業(コミュニケーション事業)があることを明らかにした。
2.県内の事例として、病状が重いことから入退院を繰り返す配偶者の代筆による手続きができなかったことがあり、この制度の普及が急がれる。
3.会員の中からも自分が入院したときに役立ちそうな事業であるという期待の声が寄せられている。
このようなことを踏まえ、本会は、会員や山視民協情報読者が居住する甲府・甲斐・南アルプス・富士吉田・山梨・笛吹・富士河口湖・昭和の6市2町に対し、意思疎通支援員派遣事業(視障者)の実施状況について、次の二つのことを電話で聞きました。
結果は以下の通りです。
1.視障者がこの事業の対象になっているか、8市町村とも聴覚障害者などはその対象になっているが、視障者は対象外だという。厚労省の通達文書には、代読代筆・点訳などが明記されており、視障者はその対象になっている。
2.入退院の手続きの代筆などについてどのように対応するか、同行援護の事業所がない富士河口湖町は、移動支援で対応するとしているが、甲府・甲斐・笛吹・富士吉田の4市も同行援護で対応するとしている。一方、南アルプス・山梨・昭和の2市・1町は、同行援護は通院に利用するものであり、入院時の支援をすることはできないとして、本来の目的にかなった制度として実施している。
今後の取り組み課題として、
1. 8市町村に対しては、厚労省の通達文書を共有してもらい、視障者が安心して入院できる意思疎通支援員派遣事業を求めていきます。
2. 同行援護や移動支援で対応するとした4市・1町に対しては、意思疎通支援員派遣事業とは違うことを伝え、その誤りを正していきます。
全国でも視障者が対象になるこの事業がわずかしかない現状で道は険しいものがありますが、粘り強く運動を進めていきます。

ことばのミニ解説

新型コロナウイルスの流行に歯止めがきかず、ワクチン接種が進んでいるとはいえまだ不安な日々です。コロナ禍で迎える夏も2回目、夏休みやお盆、秋の行楽シーズンと今年は去年より楽しめるのでしょうか? そこで今月は「マイクロツーリズム」を解説します。
マイクロツーリズムとは、小さいを表す「マイクロ」と観光を意味する「ツーリズム」を組み合わせた造語で、自宅からおよそ数時間程度で行ける地元や近隣への短距離観光のことです。
新型コロナウイルスの流行を背景に、人の移動と「三密」を避けながら観光を楽しむための手段として注目が集まっています。
メリットとして、地域内観光により人の移動を抑制し、ウイルスへの感染リスクを下げることや地元のまだ知らなかった魅力を再発見できること、さらに地元の人々との協力を通じて地域の運営を支えながら地域経済に貢献ができることが挙げられます。
県内でもコロナ禍で観光業界は、国内外からの観光客が減り大打撃を受けているそうです。このマイクロツーリズムによって地産地消が促され、地域内での人々のつながりの強化、地域の中での経済循環が活発になり、私たちも気分転換ができたら一石二鳥ですね。

うるおい俳句教室 越石 一彦 選評

埜村 和美
三伏や音豪快に四川鍋
(評)季語「三伏」と中華料理用の「四川鍋」を取り合わせた一句。陰陽五行説に基づく「三伏」は夏の最も暑い時節であり、四川鍋を包む炎とその料理音を重ね合わせることにより「酷暑」が一層強調された。

かなかなの中に佇む無言館
(評)「無言館」は長野県上田市にある戦没画学生慰霊美術館。その展示絵画は無言を貫き、客もまた「無言」となるので「無言館」と名付けられたとのこと。この静寂の館を包み込むかなかなのフェード音。「余韻ある句」とは掲句のような句のこと。

石井 迪男
朝の寺ラジオ流るる夏休み
(評)夏休みのラジオと言えば思い出すのが「ラジオ体操」。誰にでも経験があり、一読して郷愁に誘われる。さらに掲句の場所が寺の境内であり、厳かで、また爽やかな夏の朝へと読者を導いてくれる。

たそがれの湖畔のテラス夏館
(評)一読で夏の猛暑から読者を解放してくれる一句。感情的な言葉は使用せず、情景の描写だけで、「涼」、「避暑」を表現する、俳句らしさをしっかりと押さえた作品となっている。

小川 賢治
ふるさとに帰ってみたい人がいる
(評)コロナ禍、昨年に続き今年もふるさとに帰れない人たちが大勢いる。掲句に共感する人も多いことだろう。なお、掲句には季語はないものの、「帰省」は夏の季語となっており、季感のはっきりした一句となっている。

コスモスを胸に抱えて歩き出す
(評)感情表現を抑え、情景描写だけで構成された一句。作者のどんな心情を詠んだものなのか読者が想像するほかはないが、「コスモス」に対する読者それぞれの想いをもって一句を鑑賞すればよい。これもまた俳句。

相沢 幸雄
迎え盆今年も会えない兄妹きょうだいたちに
(評)前述のとおり、コロナ禍で帰省できない人が今年も多いとのこと。先祖供養と家族の絆を強めるのが「お盆」。「今年も」という措辞が兄妹に会えない悲痛をさらに深いものにしている。

暑いのに元気がいいのはコロナだけ
(評)川柳仕込みのアイロニーに思わず笑みを浮かべてしまう一句。しかし、この笑いの裏には「みんな、コロナなんかに負けるんじゃないよ」という作者の強い願いと前向きな明るさがにじみ出ている。

中牧 洋子
風鈴の音も途絶えて闇深し
(評)風鈴の起源は中国の「風鐸」で占いの道具とされる。これを「風情」を楽しみ「涼」を呼ぶ道具へと変えていったのが日本人の知恵と情緒。掲句は夏闇の深さを風鈴の途絶えた音をもって表現。日本人らしい感覚の鋭い一句。

打ち水の後にうっすら蒸気立つ
(評)作者が発見した情景を即興にて一句に昇華させる、これも俳句ならでは。打ち水の後にうっすらと立ち昇る一瞬の蒸気を見逃さなかった作者のお手柄。佳句。

伊東 一敏
まだ見えぬコロナの出口夏盛り
(評)変異を重ね、ますます強力化していくコロナウィルス。作者はそんなウィルスの蔓延を「夏盛り」という季語を配し強調させた。「一刻も早い終息を」という作者の願いが込められている。

「総評」

さまざまな苦難を乗り越え開催されたオリンピックですが、アスリートの活躍を見るたびに、コロナ禍であることを忘れさせてくれるほどの感動をいただきました。今月の「うるおい俳句」も同様に、コロナウィルスを彷彿とさせる作者らしい句が揃いました。

さて、今月のポイントとしては
・季語との取り合わせ  ・余韻ある句
・読者を導く      ・情景描写に徹する
・季語と季感      ・読者が解釈
・アイロニーと笑い   ・日本人らしい感覚
・発見を即興で     ・季語による強調

等がありました。ぜひ参考にしてみてください。

次回は九月。コロナ禍ではありますが、皆さんが発見した初秋の一句、楽しみにしています。

「新盆の家より灯りはじめけり」 一彦

それでは、25日締め切り厳守でご投句をお待ちしております。

暮らしのヒント

今月の暮らしのヒントは、「竜巻から身を守るために」です。

1.甚大な被害をもたらす竜巻は日本国内でも発生
竜巻は、発達した積乱雲に伴う強い上昇気流によって発生する渦巻き状の激しい突風です。竜巻は、直径数十メートルから数百メートルで、非常に速いスピードで数キロメートルに渡って移動します。そのため、短時間で、狭い範囲に集中して甚大な被害をもたらすことがあります。日本でも、近年、竜巻によって住宅地などが甚大な被害を受ける災害が度々発生しています。
2.夏から秋にかけて発生が多い竜巻
日本では、竜巻は、台風や寒冷前線、低気圧などに伴って、季節を問わず発生していますが、特に、積乱雲が発達しやすい夏から秋にかけて発生確認数が多くなっています。
3.気象情報、雷注意報、「竜巻注意情報」を段階的に発表
気象庁では、竜巻やダウンバーストなどによる激しい突風が予測されるときに、国民の皆さんに注意を呼びかけるため、「竜巻注意情報」を発表しています。竜巻注意情報は、雷注意報を補足する情報として、各地の気象台などから、”○○県南部”など天気予報と同じ地域を対象として発表され、防災機関や報道機関へ伝えるとともに、気象庁ホームページでお知らせしています。
竜巻に関する情報は、次のような流れで、段階的に発表されます。
(1)半日から1日前
「気象情報」を発表して、「竜巻などの激しい突風のおそれ」という表現で注意を呼びかけ
(2)数時間前
「雷注意報」を発表して、落雷、ひょう等とともに「竜巻」を明記して注意を呼びかけ
(3)0~1時間前
「竜巻注意情報」を発表して、今まさに竜巻やダウンバーストなどの激しい突風が発生しやすいことをお知らせし注意を呼びかけ
竜巻発生の可能性に応じて段階的に情報が発表されるので、状況に応じた対応が可能になります。もっとも差し迫った状況をお知らせする「竜巻注意情報」は発表から1時間が有効利用期間です。その間は特に注意が必要です。
4.竜巻から身を守るための行動
「竜巻注意情報」は天気予報と同じ地域単位で発表されますが、実際に竜巻に対する注意が必要なのは、その中でも発達した積乱雲の近くにいる人だけです。「竜巻注意情報」が発表されたからといってすぐに避難が必要なわけではありません。ただちに頑丈な建物に移動するなどの安全確保が必要です。

引用:政府広報オンライン

新しい図書の紹介

◎デイジー図書

8-1

貴志 祐介 著 10:06
我々は、みな孤独である

内容 探偵・茶畑 徹朗ちゃばたけ てつろうの元に「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」という不可思議な依頼がもたらされた。前世など存在しないと考える茶畑と助手の毬子だったが…。
(音訳者:武藤紀子)

◎貸出おすすめデイジー図書

オリンピック、パラリンピックで世界中に応援の声が溢れています。今月は“応援する人”をテーマに本を集めました。

S8-1

山本 一力 著 2:11
明日は味方。ぼくの愉快な自転車操業人生論

内容 生きていれば明日はくる。巡り来る明日を味方につければ、自分の力で難儀を乗り越えられる-。直木賞作家・山本一力が、半生を振り返りながら語る「人生峠」を越える応援歌!
(他館複製図書)

S8-2

山口 恵以子えいこ 著 6:27
食堂のおばちゃん

内容 ここは佃の大通りに面した「はじめ食堂」。みんないろいろ大変なこともあるけれど、財布に優しい「はじめ食堂」で、美味しい料理をいただけば明日の元気がわいてくる。元・食堂のおばちゃんが描く、涙あり、笑いありの心温まる物語。
(他館複製図書)

S8-3

清水 友佳子他 著 7:59
夏に泳ぐ緑のクジラ

内容 昭和という激動の時代、音楽への夢を膨らませていた古山裕一は、運命の女性・音と結婚。個性豊かな周りの人々を巻き込みながら、裕一と音は二人三脚で数々のヒット曲を生み出していく…。NHK連続テレビ小説ノベライズ。
(他館複製図書)

S8-4

清水 友佳子他 著 6:58
エール 下

内容 時代は戦争へと突入し、裕一は、命を懸けて戦う人々を応援するために曲を作り続ける。しかし終戦後、自分の曲が人々を戦争へと駆り立てたと深く傷つき音楽から距離を置く。やがて音楽の力を再発見した裕一は、復興に向かう人々の心を勇気づけようと、新しい時代の音楽を奏でていく――。傷ついた人々を音楽で勇気づけたいと奮闘する夫婦の物語、ここに完結!
(他館複製図書)

S8-5

平野 真理子 著 5:30
美宇は、みう。

内容 山梨が誇るオリンピックメダリスト平野美宇はこうして育った!卓球界で大活躍の平野美宇選手の母が、娘と二人三脚で卓球の道を歩んできた軌跡をつづる。
(音訳者:佐藤 美代)

◎点字図書

8-1

由木 輪ゆうき りん 著 全3巻
戦歌いくさうた

内容 室町時代、群雄割拠の関東平野。扇谷上杉家の家宰・太田道潅は破竹の勢いで戦績を挙げていき…。軍略に優れ、戦の合間に歌もたしなむ天才武将の生涯を描いた小説。
(点訳者:岡田静枝)

8-2

赤川 次郎 著 全2巻
受取人、不在につき

内容 同じマンションの住人・水原あての荷物を軽い気持ちで預かった綾子。しかし、その荷物は大きいうえに、受取人の水原は何日たっても不在のままで…。表題作ほか全4作を収録。
(点訳者:山中凉子)

8-3

北村 絢子 著 全3巻
こころ曇りのち青空

内容 日々の診療、自分の悩み、心に引っかかったこと、感動したこと、解決して喜んだこと…。精神科医として仕事を続けることが人生そのものと語る著者が綴る人生論。『山梨日日新聞』連載を加筆し単行本化。
(点訳者:奥本和代)

8-4

曾野 綾子 著 全3巻
死生論

内容 死ぬ運命を見極めると、逆にしたいことがはっきり見える。どうでもいいこともわかる。だから時間をむだにしない。作家・曽野綾子が、人間が生きて死ぬということを日常の出来事を通して綴る。
(点訳者:野村三枝子)

8-5

犬養 孝/犬養 きよし 著 全4巻
詳解 小倉百人一首

内容 長年の研究に裏付けられた平明で的確な鑑賞は秀抜で、学習者は知らず知らずに和歌の世界に誘われる。
(点訳者:萩原公子)

8-6

似鳥 鶏にたどり けい 著 全6巻
叙述トリック短編集

内容 あなたは事件を解き明かせるか? 小説の文章そのものの書き方で読者を騙す「叙述トリック」がすべての物語に含まれた短編集。「ちゃんと流す神様」ほか全6編を収録する。
(点訳者:中村春美)

8-7

竹中 星郎ほしろう 著 全5巻
精神科医がみた老いの不安・抑うつと成熟

内容 老いゆく心をわかっている? 病の症状の底流にある「老いを生きること」の実相とは? 大上段の構えではない、老いの自然な姿、成熟とは? 老年精神医学の第一人者による実践的に役立つ生活の視点からみた臨床の覚書。
(点訳者:五味さち子)

8-8

ケヴィン・ウィルソン 著 全7巻
ファング一家の奇想天外な謎めいた生活

内容 奇天烈なパフォーマーの両親を理解できず、女優と作家になり家を出ていた姉弟は、ある日、さる事情から実家に帰るはめに。久しぶりの家族4人の生活が落ち着いてきた矢先、両親が失踪し…。シニカルで奇妙な味のコメディ小説。
(点訳者:深田春美)

8-9

秋元 さくら他 著 全2巻
料理がすごい!

内容 フレンチの秋元さくら、イタリアンの宮木康彦みやき やすひこ、和食の笠原将弘かさはら まさひろ、中華の菰田欣也こもだ きんや…4人のシェフが、子どもでも作れる方法で、大人が食べてもおいしい53品のレシピを伝授。多くの写真でわかりやすい、子どものための料理本。
(寄贈:京都ライトハウス)

◎一般CD雑誌

内閣府 寄贈 1枚
音声広報CD 明日への声 Vol.80
日本盲導犬協会 寄贈 2枚
盲導犬くらぶ 103号

◎点字雑誌

厚生労働省 委託 1冊
点字厚生 第285号
内閣府 寄贈 1冊
テ点字・大活字広報誌 ふれあいらしんばん Vol.80
自由民主党 寄贈 1冊
自由民主 第101号
盲人伝道協議会 寄贈 各1冊
信仰2021年7月号/8月号
全日本鍼灸マッサージ師会 寄贈 各1冊
東洋療法 2021年7月/8月
厚生労働省 委託 1冊
ワールド・ナウ 第54号 行動する世界の視覚障害者たち
オンキョーホームエンターテインメント 寄贈 1冊
世界点字作文コンクール 募集要項 締め切り9月30日

◎貸出おすすめデイジー雑誌

NHK出版 各1枚
NHK俳句 NHK短歌 8月号

今月のおすすめ雑誌は「月刊誌NHK俳句・NHK短歌」です。収録時間は、NHK俳句が約6時間・NHK短歌が約14時間です。
最新号:2021年8月号
NHK俳句・NHK短歌は、Eテレで毎週日曜日に放送されている番組のテキストを音訳したデイジー雑誌です。
俳句は、連載中の「俳句のはがき出そう運動」の夏井いつきさんが選者で「父への一句」。特集は、妖怪と俳句の世界「異界(イカイ)を詠む」です。短歌は、私のドラマがみんなに伝わる歌になる。あなたのうたごころを31音に、初心者から楽しめる短歌テキスト。今月のテキスト企画は「怖いをよむ。」です。お申込みお待ちしております。
また、テープ図書の貸出は、来年令和4年3月31日をもって終了となります。利用者の皆様には、カセットデッキからCD図書再生機への移行準備をお願いします。プレクストークの入手困難な方は貸出係(055-223-1113)までご相談ください。

≪用具部からのお知らせ≫

今月は、探し物発見機「キーファインダー」のご紹介です。
リモコンのボタンを押すと対応した子機から「ピピピピ…」という電子音が鳴り、探し物がどこにあるのかを知らせてくれます。鍵や携帯電話など、なくしやすい小物などに事前につけておくと、いざという時に見つけやすくなります。自分で設定などをする必要はなく子機を対象物(探したいもの。鍵、携帯電話など)に付ければ、準備完了です。
商品の内容は、リモコンが1つと子機が4つとなっています。
リモコンは手のひらサイズの長方形で、4色の丸いボタン(上から赤・緑・青・紫)が縦1列に並んでいます。このボタンを押すと、対応した子機から電子音が鳴ります。リモコン先端にはLEDライトもついています。
4個の子機は小判型で、それぞれ全長約5センチ。手の中に納まるサイズです。プラスチック製で軽いですが、多少厚みがあります。子機の色も4色に分かれていて、リモコンの同じ色のボタンと連動しています。例えば、リモコンの赤のボタンを押せば、赤の子機から音が鳴ります。
子機には小さな穴が開いていて、キーリング(二重になった円形の金具)と薄いプラスチック製のタグ(目印の帯)が付いています。タグには、それぞれ凸点が付いていて、どのボタンに対応した受信機なのかがタグを触ればわかるようになっています。リモコンの一番上のボタンに連動する子機には凸点なしのタグが、上から2番目のボタンに連動する子機には凸点1つのタグが、3番目のボタンに連動する子機には凸点2つのタグが、一番下のボタンに連動する子機には凸点3つのタグが付いています。
障害物が無ければ30~40m先でも子機は反応し、近くであれば、引き出しの中や隣の部屋でも反応します。それぞれの子機の音に特徴的な違いはありません。
子機と対象物を固定する方法は、キーリングを利用してキーホルダーのようにつけるほかに、付属のシールで貼り付けて固定することもできます。
リモコンは単4電池2本、子機はそれぞれボタン電池1個が必要です。商品お届け時に入っている電池は、動作確認用のお試し電池ですので、ご注意ください。できれば、こまめに子機の電池チェックをお願いします。いざという時に電池切れで、リモコンのボタンを押しても子機が反応しないということになりかねません。なお、電池の消耗によるもの以外の不具合は修理が出来ません。価格は、4,380円です。

商品仕様
キーファインダー
•大きさ:リモコン:(縦)10.5×(横)4.6×(厚さ)1.3cm
子機:(縦)5×(横)3.6×(厚さ)1.1cm
•重さ:リモコン:約53g 子機:約10g
•使用電池:リモコン:単4電池 2本
子機:1台につきボタン電池CR2032 1個
•周波数:433.92 MHz
•サウンド:75~80dB
•ワイヤレス範囲:障害物が無い場合30~40m
•付属品:リモコン用スタンド、子機固定用シール4枚
•保証:1年
•取扱説明書:音声(一般CD)

以上、今月のおすすめ商品の紹介でした。お問い合わせ・ご注文は、電話055-223-1113(貸出・用具専用電話)まで、お願いします。